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埼玉県所沢市 社会保険労務士浅井事務所

トップ >お役立ち情報 >ウェブセミナー就業規則 >(5)裁判に見る解雇規定の重要性
ウェブセミナー 就業規則

ウェブセミナー 〜就業規則〜

第1回 就業規則は会社を守ってくれる盾なのです
第2回 裁判に見る就業規則の有効性
第3回 就業規則を使って会社を診断する
第4回 解雇規定の重要性を説明します
第5回 裁判に見る解雇規定の重要性
第6回 例えばこんな解雇規定があります
第7回 私たちのコンサルティングの流れ
第8回 作成・改定プロジェクトの重要性と社労士の関与
 



 (第5回)
裁判に見る解雇規定の重要性

  
 今回は、実際に裁判になったときに就業規則における解雇の規定がどのように扱われているかをみます。ちょっと難しい話になりますが、経営者の方々にとっては「明日はわが身」になるかもしれません。

 ぜひそうならないように、ここで頑張って勉強してください。

 最初のケースは、就業規則の懲戒解雇事由に「経歴を詐称して雇い入れられた時」という記載があったケースで、実際に解雇された労働者が裁判に訴えた事件です。
 
判例(1)
募集では「中学または高校卒業者」とされていましたが、この労働者の学歴は大学を除籍中退でした。そして大学中退の学歴を隠して雇用されていたのがバレて、懲戒解雇されてしまったのです。裁判所は次のように判断しました。
 
今回の経歴詐称は、就業規則の解雇事由である
「・・・経歴をいつわり・・・雇い入れられたとき」に該当する。
 
使用者が雇用契約の締結に先立ち、雇用しようとする労働者に対し、その労働力評価に直接関わる事項ばかりでなく、職場への適応性、企業の信用の保持等の企業秩序の維持に関する事項についても必要かつ合理的な範囲で申告を求めた場合には、労働者は信義則上真実を告知する義務を負うとし上の就業規則もこれを前提とすると解されるとする。
 
以上のことと、就業後の事情を考慮すると懲戒解雇事由は相当である
 
炭研精工事件:最高裁第1小(H3・9・19)

このケースでは、就業規則の解雇事由は相当であると認められ、懲戒解雇が成立、会社側が勝利しました。
 
 このケースを誤解を恐れず簡単に説明すると以下のようになるでしょうか。
使用者と労働者との間には信頼関係が必要でしょ?
契約の段階から嘘つくなんて、非常識ですよ!
しかもそのことが就業規則にも書いてあるんだから ここ大事)。
これは懲戒解雇も仕方ないですね。
 

次は反対のケースです。就業規則の懲戒解雇事由に「使用者の承認を得ずに、公職に就任したとき」という記載があったケースで、実際に解雇された労働者が「この解雇は違法である!」と訴えた事件です。
 
判例(2)
公職の就任を使用者の承認事項として、その承認を得ずして公職に就任したものを懲戒解雇に附する旨の就業規則は、労働基準法第7条に違反して無効であるとする。
 
十和田観光電鉄事件:最高裁第2小(S38・6・21)
 
このケースでは、就業規則の懲戒解雇の規定そのものが労働基準法に違反するので無効であり解雇も認められませんでした。
 
 ちなみに労基法7条というのは
「労働者が公民権を行使する権利」を保障したものです。
 
 この判例から学ぶべきことは、就業規則に定めるにあたっては解雇規定には合理的な理由があり、社会通念上相当と認められるか?ということを充分にチェックするということです。せっかく就業規則に記載してあっても、その規定自体が裁判で無効になってしまってはまったく意味がありません。
 

最後は、最近の判例です。
 とてもわかりやすく、解雇についての考え方が示されています。もちろん、具体的な事件によって結果が異なることはありますが、会社として行なえる法的防御として、この判例は参考になります。
  
判例(3)
「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する」とするもの。
 
「就業規則が法的規範としての性質を有するものとして、拘束力を生ずるためには、その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要するというべきである。」とし、原審判決を破棄差戻した。

フジ興産事件:最高裁第2小(H15.10.10)
 
原審判決は(労働者に周知させる手続が採られていることを認定しないまま、旧就業規則に法的規範としての効力を肯定、本件懲戒解雇が有効であると判断しました。)
 
このケースでは解雇が無効となり会社側が負けています。就業規則が労働者に周知されていなかったという理由が大きいのですが、前回までのセミナーで紹介してきた二つのポイントが明確になっています。解雇をするには、あらかじめ就業規則に懲戒の種類と事由を定めておく。また、就業規則を労働者に周知すること、の二つです。
  

 このように、裁判にまで発展してしまうと様々な主張・権利・義務が入り混じるために、こうしておけば必ず勝てる!というのは実際には難しいことになります。それは、最高裁まで争えば結果が1転2転する可能性があるということからも分ります。困った話ですが・・・。
 
 ですが反対に、やるべきことをやっていない場合。
 それは、負けが決まってしまいます。
 ですから、やるべきこと(ここでは就業規則の整備です)を前もってやっておくのが、どれだけ大切かということ。そして、その規定は、しっかりと考え抜いて作らなくては役に立たないかもしれないということが、今回のセミナーで皆様にお伝えできたのではないかと思います。


 
(第4回) 解雇規定の重要性を説明します へ戻る
(第6回) 例えばこんな解雇規定があります へ進む
 

 補足

 
 ぜひ、ご自分の会社の就業規則をチェックしてみてください。
 解雇事由が記載されていますか?
 それは、合理的で社会通念上相当ですか?
 そして就業規則は労働者に周知されていますか?
 疑問なことがあれば、なんでも相談してください。私どもは全国出張もしております。まずは、お問い合わせからご連絡ください。
 
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